法定速度と規制速度(指定速度)の違い|標識が優先
更新: 2026-10
法定速度は、標識や標示で速度が決められていない道路に適用される、法律(政令)の上限速度です。規制速度(指定速度)は、標識・標示でその道路ごとに決めた上限速度で、指定があれば必ずこちらが優先します。ただし一般原動機付自転車(原付)だけは、標識が30km/hより高くても30km/hが上限です。
ひと目でわかる比較表
どちらも「最高速度」、つまり超えてはいけない上限です。違いは「誰が・どうやって決めたか」と「いつ適用されるか」です。道路交通法第22条は、標識・標示で最高速度が指定されている道路ではその速度、それ以外の道路では政令で定める速度を超えてはならない、と定めています。
| 項目 | 法定速度 | 規制速度(指定速度) |
|---|---|---|
| 決め方 | 道路交通法施行令で全国一律 | 公安委員会などが標識・標示で道路ごとに指定 |
| 適用される場面 | 標識・標示で指定がないとき | 標識・標示で指定があるとき(常に優先) |
| 見た目 | 標識なし(道路の形で判断) | 赤い円に青い数字の標識、路面の黄色い数字 |
| 一般道路の自動車 | 60km/h(中央線などがない生活道路は30km/h) | 標識の数字(法定より高い・低いどちらもある) |
| 一般原動機付自転車 | 30km/h | 30km/h以下の指定だけ従う。40などの指定は原付には適用されない |
| 高速自動車国道の本線車道 | 普通自動車100km/h・大型貨物90km/hなど | 標識の数字 |
法定速度の中身(2026年9月1日以降)
標識・標示がない一般道路での自動車の法定速度は、道路の形で決まります(道路交通法施行令第11条)。中央線または車両通行帯(車線)がある道路、中央分離帯や柵で上下線が分かれている道路、自動車専用道路は60km/hです。それ以外の一般道路、つまり中央線などがない「生活道路」は、2026年9月1日から30km/hになりました(それまでは60km/h)。
一般原動機付自転車は道路の種類に関係なく30km/hです。自動二輪車(バイク)は法律上「自動車」なので、原付の30km/hではなく自動車の数字が適用されます。高速自動車国道の本線車道は車種別に100km/h・90km/h・80km/hで、詳しくは高速道路のページで扱います。
なお、緊急自動車が一般道路を走るときの法定速度は80km/hと別に決まっています(施行令第12条第3項)。
規制速度が優先する、という意味
標識で速度が指定されていれば、法定速度より低くても高くても、その数字が上限です。警察庁は、法定30km/hになった生活道路でも「40」の標識があれば40km/h、法定60km/hの道路に「30」の標識があれば30km/hと説明しています。
標識の数字は、赤い円の中に青い数字(白地)で示されます。路面に黄色でペイントされた数字(道路標示)も同じ意味です。数字の下に線がある標識は最高速度ではなく最低速度なので、取り違えに注意してください。
| 道路と標識の組み合わせ | 自動車の上限 | 一般原付の上限 |
|---|---|---|
| 中央線のある一般道路・標識なし | 60km/h(法定) | 30km/h(法定) |
| 中央線のない生活道路・標識なし | 30km/h(法定) | 30km/h(法定) |
| 中央線のある道路・「40」の標識 | 40km/h(規制) | 30km/h(法定のまま) |
| 生活道路・「40」の標識 | 40km/h(規制) | 30km/h(法定のまま) |
| どの道路でも「20」の標識 | 20km/h(規制) | 20km/h(規制) |
原付だけは「低いほう」になる理由
「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」は、最高速度の標識が原動機付自転車について指定できるのは、政令の最高速度(30km/h)以下の速度だけ、と定めています。交通の方法に関する教則も、一般原動機付自転車は30km/hを超えてはならず、標識・標示で30km/h以下が示されているときはその速度を超えてはならない、と書いています。
つまり原付の上限は「30km/hと標識の数字の、低いほう」です。自動車は標識の数字そのもの(高くても低くても)なので、ここが一番のひっかけポイントになります。
知識確認の出題例(実際の問題)
menkyopassの問題データから、この違いを問う問題を引用します。
- 「原動機付自転車は、標識により時速40キロメートルの最高速度が指定されている道路では、時速40キロメートルまで出すことができる。」→ 答え: ×(原付の上限は30km/hのまま。法定速度と指定速度の低いほう)
- 「標識や標示で最高速度が指定されていない一般道路のうち、中央線や車両通行帯がある道路では、自動車の法定最高速度は時速60キロメートルである。」→ 答え: ○
- 「標識で最高速度が指定されている高速道路の区間では、法定速度ではなく標識で指定された速度に従わなければならない。」→ 答え: ○
- 「法定最高速度の範囲内であれば、道路や交通の状況に関係なく、その速度で走行してよい。」→ 答え: ×(法定も規制も上限にすぎず、状況に応じて安全な速度に落とす)
覚え方と母語での練習
「標識が言えば標識、黙っていれば政令の数字。原付だけは30を超えない」と覚えましょう。生活道路の30km/hは2026年9月からの新しいルールなので、古い教材の「一般道はどこでも60km/h」をそのまま覚えないようにしてください。
知識確認は50問・30分で45問以上の正解が必要です。速度の数字は確実に取りたい分野なので、menkyopassの母語の模試で、主語(自動車・原付)と道路(生活道路・中央線あり)のすり替えに慣れておきましょう。
この用語が出る練習問題
- 標識や標示で最高速度が指定されていない一般道路のうち、中央線や車両通行帯がある道路では、自動車の法定最高速度は時速60キロメートルである。
- 原動機付自転車の法定最高速度は、時速30キロメートルである。
- 中央線や車両通行帯があり、標識による指定のない一般道路における大型自動二輪車の法定最高速度は、時速30キロメートルである。
- 原動機付自転車は、標識により時速40キロメートルの最高速度が指定されている道路では、時速40キロメートルまで出すことができる。
- 法定最高速度の範囲内であれば、道路や交通の状況に関係なく、その速度で走行してよい。
- 故障車をロープでけん引するときの一般道路における法定最高速度は、時速40キロメートルである。
- 高速自動車国道の本線車道における軽自動車の法定最高速度は、時速80キロメートルである。
- けん引装置のある自動車で故障車などをけん引するトレーラー(けん引自動車)の高速自動車国道での法定最高速度は、時速80キロメートルである。
- 高速自動車国道の本線車道における大型貨物自動車の法定最高速度は、時速90キロメートルである。
- 標識で最高速度が指定されている高速道路の区間では、法定速度ではなく標識で指定された速度に従わなければならない。
よくある質問
Q. 規制速度と指定速度は同じ意味ですか?
A. 同じものを指します。法律の条文では「道路標識等により指定されている最高速度」と書かれ、一般に規制速度・指定速度と呼ばれます。
Q. 標識が法定速度より高い数字のこともありますか?
A. あります。警察庁は、法定30km/hの生活道路でも40km/hの標識があれば40km/hになると説明しています。ただし一般原付は30km/hを超えられません。
Q. 標識のない住宅街の細い道は何km/hですか?
A. 中央線や車線がなければ、2026年9月1日から自動車も30km/hです。中央線があれば60km/hです。
Q. バイクも原付と同じ30km/hですか?
A. いいえ。大型・普通自動二輪車は自動車として扱われ、一般道路では60km/h(生活道路は30km/h)、標識があれば標識の速度です。