一般原付と特定小型原付(電動キックボード)の違い
更新: 2026-10
日本の「原動機付自転車」には、免許が必要な「一般原動機付自転車」(いわゆる原付)と、免許なしで16歳から乗れる「特定小型原動機付自転車」(電動キックボードなど)の2種類があります。一般原付は法定速度30km/h・ヘルメット着用義務、特定小型は構造上20km/hまで・ヘルメットは努力義務です。知識確認で単に「原動機付自転車」と書かれていれば、ふつうは一般原付のルールを問われています。
比較表:一般原付と特定小型原付
道路交通法第2条第1項第10号は、原動機付自転車を「イ」(排気量・出力で決まるもの=一般原付)と「ロ」(車体の大きさ・構造の基準を満たすもの=特定小型原付)に分けています。ルールの主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 一般原動機付自転車(原付) | 特定小型原動機付自転車 |
|---|---|---|
| 代表的な車両 | 50ccスクーター、新基準原付(125cc以下・最高出力4.0kW以下) | 基準を満たす電動キックボードなど |
| 運転免許 | 必要(原付免許・普通免許など) | 不要 |
| 年齢 | 原付免許は16歳から | 16歳未満は運転禁止(貸した人も処罰) |
| 最高速度 | 法定速度30km/h(標識が40km/hでも30km/h) | 構造上20km/hを超えて出せない |
| ヘルメット | 着用義務 | 努力義務 |
| 右折 | 条件のある交差点で二段階右折 | 常に二段階右折(交差点の側端に沿って) |
| 歩道 | 通行できない | 原則できない。特例特定小型(6km/h・表示灯点滅)は標識のある歩道を通行可 |
| 高速道路・自動車専用道路 | 通行できない | 通行できない |
| ナンバー・自賠責保険 | 必要 | 必要 |
車両の基準:何が「特定小型」になるのか
特定小型原付は、道路交通法施行規則第1条の2の2の基準をすべて満たす車両です。1つでも外れると特定小型にはならず、一般原付や自動二輪車として免許やヘルメットが必要になります(警察庁)。
一般原付は、施行規則第1条の2で決まる大きさ以下の原動機を使う車です。二輪は総排気量50cc以下(電動は定格出力0.60kW以下)が基本で、2025年4月1日からは、総排気量125cc以下で最高出力を4.0kW以下に抑えた二輪(新基準原付)も一般原付に入りました(国土交通省資料)。125cc以下でも出力が4.0kWを超えるバイクは普通自動二輪車です。
- 長さ190cm以下・幅60cm以下
- 定格出力0.60kW以下の電動機
- 20km/hを超える速度が出せない(走行中に最高速度の設定を変えられない)
- AT機構(クラッチ操作不要)
- 最高速度表示灯を備えている
右折のしかた:二段階右折の条件が違う
一般原付は、ふだんは自動車と同じく道路の中央に寄って右折します。二段階右折(交差点の側端に沿って右折)が必要なのは、信号機などで交通整理されている交差点のうち、二段階右折の標識がある場合と、片側3車線以上の道路の場合です(道路交通法第34条第5項)。片側3車線以上でも「原付の右折方法(小回り)」の標識があれば二段階右折はしません。
特定小型原付は、自転車と同じく、右折するときは必ず道路の左端に寄り、交差点の側端に沿って進みます(第34条第3項)。信号のある交差点では青で向こう側まで直進してから向きを変え、前方の信号が青になってから進みます。青色の右向き矢印信号で右折することはできません(警察庁)。
通る場所:歩道を走れるのは特例のときだけ
一般原付は車道を通り、歩道や路側帯は通れません。特定小型原付も車道(または自転車道)の左側端を通るのが原則です。
例外は「特例特定小型原動機付自転車」です。最高速度表示灯を点滅させ、6km/hを超えないモードにしている間は、「特例特定小型原動機付自転車・普通自転車歩道通行可」の標識などがある歩道の車道寄りを、歩行者優先で通行できます。歩行者の通行に大きな妨げとなる場所や、白の二本線の路側帯は通れません(教則)。
どちらも飲酒運転は禁止で、自賠責保険への加入が義務です。特定小型原付は二人乗りも禁止です(警察庁)。
知識確認の出題例とひっかけ
実際の出題形式に近い問題です(menkyopassの問題より)。
「原動機付自転車は、標識により時速40キロメートルの最高速度が指定されている道路では、時速40キロメートルまで出すことができる。」→ ×。原付の上限30km/hは、それより高い速度が指定されていても変わりません。
「原動機付自転車は、片側3車線以上の交差点で右折するときは、二段階右折の標識がなくても二段階右折をしなければならない。」→ ○。
「右向きの青色矢印信号が表示されていても、二段階右折が必要な原動機付自転車と軽車両は右折を始めることができない。」→ ○。
- 「特定小型原付の運転には原付免許が必要」→ ×(免許不要。ただし16歳未満は禁止)
- 「特定小型原付もヘルメット着用が義務」→ ×(努力義務。一般原付は義務)
- 「一般原付はすべての交差点で二段階右折」→ ×(標識のある交差点と片側3車線以上の交差点など)
- 「原付は自賠責保険に入らなくてよい」→ ×(一般原付も特定小型も必要)
外免切替と原付
日本の普通免許で一般原付も運転できます。外国の免許を原付免許に切り替えることもでき、申請手数料は警視庁の例で1,600円です(2026年10月確認。都道府県で異なる場合があります)。一方、特定小型原付は免許がなくても16歳以上なら運転できますが、基準を満たさない電動キックボードは一般原付などとして免許が必要です。
知識確認では原付の速度や二段階右折の問題がよく出ます。menkyopassの母語の模試で、30km/hや二段階右折の条件を入れ替えた問題に慣れておきましょう。
この用語が出る練習問題
- この標識がある道路は、自動車も原動機付自転車も軽車両も通行できない。
- 路線バス等の「専用通行帯」は、小型特殊自動車、原動機付自転車、軽車両であっても通行してはならない。
- 「車両通行止め」の本標識に「原付を除く」という補助標識が付いている道路は、原動機付自転車も通行することができない。
- 右向きの青色矢印信号が表示されていても、二段階右折が必要な原動機付自転車と軽車両は右折を始めることができない。
- 原動機付自転車は、片側3車線以上の交差点で右折するときは、二段階右折の標識がなくても二段階右折をしなければならない。
- 前の車が原動機付自転車を追い越そうとしているときに、その車を追い越すことは、二重追い越しとして禁止されている。
- 原動機付自転車の法定最高速度は、時速30キロメートルである。
- 原動機付自転車は、標識により時速40キロメートルの最高速度が指定されている道路では、時速40キロメートルまで出すことができる。
- 一般原動機付自転車も、自動車損害賠償責任保険または責任共済に加入していなければ、運転してはならない。
よくある質問
Q. 日本の免許がなくても電動キックボードに乗れますか?
A. 特定小型原付の基準を満たし、ナンバーと自賠責保険がある車両なら、16歳以上は免許なしで運転できます。基準を満たさないものは一般原付などに当たり、免許が必要です。
Q. 125ccのスクーターは原付免許で乗れますか?
A. 最高出力を4.0kW以下に抑えた「新基準原付」なら乗れます。4.0kWを超えるものは普通自動二輪車で、普通二輪免許(小型限定を含む)が必要です。
Q. 特定小型原付の最高速度は?
A. 構造上20km/hを超えて出せない車両です。歩道を通行できる特例モードでは6km/hまでです。
Q. 原付で40km/h制限の道路を40km/hで走れますか?
A. いいえ。一般原付の法定速度は30km/hで、標識がそれより高くても30km/hまでです。
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出典
- e-Gov法令検索「道路交通法」(第2条第1項第10号・第17条の2・第34条・第64条の2・第71条の4・第118条)
- e-Gov法令検索「道路交通法施行規則」(第1条の2・第1条の2の2)
- e-Gov法令検索「道路交通法施行令」(第11条 原動機付自転車の最高速度)
- 警察庁「特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)に関する交通ルール等について」
- 警察庁「交通の方法に関する教則」(令和6年11月13日現在・全文PDF)
- 国土交通省「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う駐車環境の整備に向けた取組の推進について」PDF(新基準原付)
- 警視庁「外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには」(原付の申請手数料)