日本の追越しルールまとめ|追越し禁止場所と追抜きの違い
更新: 2026-10
追越しの問題は「追越し」と「追抜き」の区別と、追越し禁止場所の例外で決まります。進路を変えて前の車の前に出るのが追越し、進路を変えずに前に出るのが追抜きです。追抜きまで禁止されるのは横断歩道・自転車横断帯とその手前30メートルだけ。また駐停車禁止場所と範囲が似ているので、坂とトンネルの違いを表で押さえましょう。
追越しと追抜きの違い
追越しは、車が進路を変えて、進行中の前の車の前方に出ることです(道路交通法2条)。進路を変えずに、前の車の横を通って前に出るのは追抜きで、適用されるルールが違います。
追越しは前の車の右側を通るのが原則です。例外として、前の車が右折のため道路の中央(一方通行の道路では右端)に寄って通行しているときは、その左側を通って追い越します。路面電車を追い越すときも原則は左側です。
| 追越し | 追抜き | |
|---|---|---|
| 進路 | 変える | 変えない |
| 通る側 | 原則として右側 | そのまま |
| 横断歩道・自転車横断帯と手前30m | 禁止 | 禁止 |
| その他の追越し禁止場所 | 禁止 | 禁止されていない |
追越し禁止場所の一覧
次の場所では、自動車や原付を追い越すために進路を変えたり、横を通り過ぎたりしてはいけません(道路交通法30条)。自転車などの軽車両を追い越すことは、交差点の手前などの追越し禁止場所でも禁止されていません(この例外は軽車両だけで、原付は含まれない)。
| 場所 | 範囲 | 例外・注意点 |
|---|---|---|
| 「追越し禁止」の標識がある場所 | 標識の区間 | はみ出さなくても追越しはできない |
| 道路の曲がり角付近 | その付近 | 見通しがよくても禁止 |
| 上り坂の頂上付近 | その付近 | |
| こう配の急な下り坂 | その場所 | 急な上り坂は禁止場所ではない |
| トンネル | 車両通行帯がない場合だけ | 車両通行帯があれば追い越せる |
| 交差点 | 交差点とその手前から30m以内 | 優先道路を通行している場合は追い越せる |
| 踏切 | 踏切とその手前から30m以内 | |
| 横断歩道・自転車横断帯 | その場所と手前から30m以内 | 追抜きも禁止 |
追越しを始めてはいけない場合
場所に関係なく、次の場合は追越しを始めてはいけません(教則)。
- 前の車が自動車を追い越そうとしているとき(二重追越し)。前の車が原付を追い越そうとしている場合は二重追越しにあたらない
- 前の車が右折などのため右側に進路を変えようとしているとき
- 右側部分に入って追い越すと対向車の進行を妨げるとき、または前の車の進行を妨げなければ左側に戻れないとき
- 後ろの車が自分の車を追い越そうとしているとき
合図と進路変更のルール
進路変更(車線変更)の合図は、進路を変えようとする約3秒前に出し、進路変更が終わるまで続けます。終わったら速やかにやめます。30メートル手前で合図するのは右左折・転回のときです。
合図を出しても、後続車が急ブレーキや急ハンドルで避けなければならないような進路変更はできません(道路交通法26条の2)。合図は条件の一つにすぎません。
教則が示す追越しの手順は、禁止場所でないか確認 → 前方と右後方の安全確認 → 右の合図 → 約3秒後に緩やかに右へ → 左の合図 → 追い越した車がルームミラーで見えるくらいまで進んでから緩やかに左へ → 合図をやめる、です。
| 行為 | 合図の時期 |
|---|---|
| 進路変更・追越しのための車線変更 | 約3秒前 |
| 右折・左折・転回 | 30メートル手前 |
追い越されるとき・標識の違い
後ろの車に追い越されるときは、追越しが終わるまで速度を上げてはいけません。追越しに十分な余地がないときは、できるだけ左に寄って進路を譲ります。追い越す車は右側を通るので、右に寄るとかえって妨げになります。
「追越し禁止」(補助標識付き)の区間では、右側部分にはみ出すかどうかに関係なく追越しそのものが禁止です。補助標識のない「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」だけなら、はみ出さない追越しはできます。
間違えやすい型(駐停車禁止との比較)
追越し禁止場所と駐停車禁止場所は似ていますが、範囲が違う項目が狙われます。
- 追越しと追抜きの混同: 追抜きまで禁止なのは横断歩道・自転車横断帯の手前30mだけ
- 左側からの追越し: 前の車が右折のため中央に寄っているときだけ
- 二重追越し: 前の車が「自動車」を追い越そうとしているとき。原付なら該当しない
- 例外の対象: 追越し禁止場所でも追い越せるのは軽車両。原付は含まれない
- 譲る方向: 追い越されるときは「左」に寄る
| 場所 | 追越し | 駐停車 |
|---|---|---|
| こう配の急な上り坂 | 禁止されていない | 禁止 |
| こう配の急な下り坂 | 禁止 | 禁止 |
| トンネル(車両通行帯あり) | できる | 禁止 |
| トンネル(車両通行帯なし) | 禁止 | 禁止 |
| 交差点 | 手前から30m以内(優先道路は例外) | 交差点とその端から5m以内 |
| 踏切 | 手前から30m以内 | 前後10m以内 |
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この分野の練習問題
- 追い越しとは、進路を変えて、進行中の前の車の前方に出ることをいう。
- 進路を変えようとするときは、その30メートル手前で合図をしなければならない。
- 進路変更の合図は、進路を変えようとする約3秒前に行い、進路変更が終わるまで続けなければならない。
- 前の車を追い越すときは、右側からでも左側からでも、安全が確認できればどちらを通ってもよい。
- 前の車が右折のため道路の中央に寄って通行しているときは、その左側を通って追い越すことができる。
- 横断歩道とその手前から30メートル以内の場所では、追い越しだけでなく追い抜きも禁止されている。
- 交差点とその手前から30メートル以内の場所では、優先道路を通行している場合であっても追い越しをしてはならない。
- 踏切とその手前から30メートル以内の場所では、追い越しが禁止されている。
- 道路の曲がり角付近は、見通しがよい場合に限り追い越しをすることができる。
- こう配の急な上り坂は、追い越しが禁止されている場所である。
- トンネル内では、車両通行帯があるかどうかに関係なく、追い越しをしてはならない。
- 前の車が原動機付自転車を追い越そうとしているときに、その車を追い越すことは、二重追い越しとして禁止されている。
- 交差点とその手前30メートル以内の場所でも、軽車両であれば追い越すことができる。
- 後ろの車に追い越されるときは、追い越しが終わるまで速度を上げてはならない。
- 後ろの車に追い越されるとき、相手が追い越すための十分な余地がない場合は、できるだけ右に寄って道を譲らなければならない。
- 方向指示器で合図をすれば、後続車との距離が近くても進路変更することができる。
よくある質問
Q. 交差点の手前30メートル以内では絶対に追い越せませんか?
A. 優先道路を通行している場合は例外として追い越せます。また自転車などの軽車両を追い越すことは禁止されていません。
Q. トンネルの中で追越しはできますか?
A. 車両通行帯があるトンネルではできます。車両通行帯がないトンネルでは禁止です。駐停車はどちらのトンネルでも禁止です。
Q. 左側から追い越していいのはどんなときですか?
A. 前の車が右折のため道路の中央(一方通行では右端)に寄って通行しているときです。それ以外は右側から追い越します。
Q. 追い越されるときに道を譲るのは右・左どちらですか?
A. 左です。十分な余地がないときは、できるだけ左に寄って進路を譲り、追越しが終わるまで速度を上げないようにします。