追越しと追抜きの違い|外免切替の知識確認
更新: 2026-10
追越し(おいこし)は進路を変えて前の車の前に出ること、追抜き(おいぬき)は進路を変えずに前の車の前に出ることです。区別の基準は「進路を変えたかどうか」だけ。追越し禁止場所で禁止されるのは原則として追越しで、追抜きまで禁止されるのは横断歩道・自転車横断帯とその手前30m以内だけ、というのが知識確認の頻出ポイントです。
追越しと追抜きの違い(比較表)
道路交通法第2条第1項第21号は、追越しを「車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ること」と定義しています。進路を変えずに隣を通って前に出るのが追抜きで、法律に独立の定義語はありませんが、教則や試験では「追い抜き」として区別されます。
例えば片側2車線の道路で、右の車線をそのまま走っていて左の車線の車より前に出るのは追抜き。左の車線から右へ車線変更して前の車を抜き、また左に戻るのは追越しです。
| 項目 | 追越し(おいこし) | 追抜き(おいぬき) |
|---|---|---|
| 進路変更 | する | しない |
| 定義の条文 | 道路交通法第2条第1項第21号 | 独立の定義なし(教則・試験で区別) |
| 通る側 | 原則として前の車の右側(第28条) | 進路を変えないので左右の決まりなし |
| 合図 | 進路を変える3秒前に方向指示器 | 進路を変えないので不要 |
| 追越し禁止場所(曲がり角付近・踏切の手前30m など) | 禁止 | 禁止されていない |
| 横断歩道・自転車横断帯とその手前30m以内 | 禁止 | 禁止(第38条第3項) |
| 二重追越しの禁止(第29条) | 対象 | 対象外 |
追越しにだけかかるルール
追越しは進路を変えて加速し、また戻るという複雑な操作なので、追抜きより多くのルールがかかります。
追越しの合図は、施行令第21条の「同一方向に進行しながら進路を変えるとき」にあたり、その3秒前に出します(右折・左折・転回の「30m手前」とは別)。
- 前の車の右側を通る。前の車が右折のため道路の中央(一方通行では右端)に寄っているときは左側を通る(第28条)
- 前の車が自動車を追い越そうとしているときは追越しを始めない(二重追越し・第29条)。前の車が抜こうとしているのが原動機付自転車なら二重追越しにあたらない
- 前の車が右折などで右に進路を変えようとしているとき、対向車の妨げになるとき、後ろの車が自分を追い越そうとしているときは追越しをしない(教則)
- 道路の曲がり角付近、上り坂の頂上付近、こう配の急な下り坂、車両通行帯のないトンネル、交差点・踏切とその手前30m以内では追い越さない(第30条。優先道路を通行中の交差点は除く)
追抜きも禁止される場所
道路交通法第38条第3項は、横断歩道・自転車横断帯とその手前30m以内では、前を進む車の側方を通過して前に出ることを禁止しています。つまりこの範囲だけは、進路を変えない追抜きも禁止です。教則も「横断歩道や自転車横断帯とその手前から30メートル以内の場所では、ほかの車を追い越したり、追い抜いたりしてはいけません」としています。
横断歩道の近くでは、前の車の陰から歩行者が出てくる危険があるためです。横断歩道の手前で止まっている車のそばを通って前に出るときは、その前に一時停止も必要です(第38条第2項)。
なお、追越し禁止場所の規定(第30条)と第38条第3項は、どちらも特定小型原動機付自転車と軽車両(自転車など)を抜くことを対象から除いています。原動機付自転車(一般原付)は除かれていません。
知識確認の出題例
実際の問題(ja)を答えつきで引用します。
- 「追い越しとは、進路を変えて、進行中の前の車の前方に出ることをいう。」→ ○
- 「横断歩道とその手前から30メートル以内の場所では、追い越しだけでなく追い抜きも禁止されている。」→ ○
- 「高齢者マークをつけて走行している車を、追い越したり追い抜いたりしてはならない。」→ ×(禁止されるのは幅寄せと、必要な車間距離が保てなくなる割り込み)
- 「前の車が原動機付自転車を追い越そうとしているときに、その車を追い越すことは、二重追い越しとして禁止されている。」→ ×(二重追越しは前の車が自動車を抜こうとしている場合)
- 「こう配の急な上り坂は、追い越しが禁止されている場所である。」→ ×(上り坂の頂上付近と急な下り坂)
間違えないためのコツ
問題文に「追い抜き」が出てきたら、まず「場所は横断歩道・自転車横断帯の手前30m以内か」を確認します。それ以外の場所で「追い抜きも禁止」とあれば×の可能性が高いです。
追い越される側のルールも出ます。追い越されるときは追越しが終わるまで速度を上げず、余地が十分でなければできるだけ左に寄って進路を譲ります(右ではない)。
母語の模試で練習する
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この用語が出る練習問題
- この標識のある場所では、右側部分にはみ出さない追い越しであれば行ってもよい。
- 高齢者マークをつけて走行している車を、追い越したり追い抜いたりしてはならない。
- 追い越しとは、進路を変えて、進行中の前の車の前方に出ることをいう。
- 横断歩道とその手前から30メートル以内の場所では、追い越しだけでなく追い抜きも禁止されている。
- 交差点とその手前から30メートル以内の場所では、優先道路を通行している場合であっても追い越しをしてはならない。
- 踏切とその手前から30メートル以内の場所では、追い越しが禁止されている。
- 道路の曲がり角付近は、見通しがよい場合に限り追い越しをすることができる。
- こう配の急な上り坂は、追い越しが禁止されている場所である。
- トンネル内では、車両通行帯があるかどうかに関係なく、追い越しをしてはならない。
- 前の車が原動機付自転車を追い越そうとしているときに、その車を追い越すことは、二重追い越しとして禁止されている。
よくある質問
Q. 車線変更をせずに隣の車線の車より前に出るのは違反ですか?
A. 進路を変えていないので追抜きです。横断歩道・自転車横断帯とその手前30m以内でなければ、追抜き自体は禁止されていません(安全確認は必要)。
Q. 追越し禁止の場所で自転車を抜いてもよいですか?
A. 追越し禁止場所の規定は、自転車などの軽車両と特定小型原動機付自転車を抜くことを対象外にしています。一般の原動機付自転車を抜くことは禁止です。
Q. 追越しの合図はいつ出しますか?
A. 進路を変える3秒前です。右折・左折・転回の合図(30m手前)と混同しないようにします。
Q. 二重追越しとは何ですか?
A. 前の車が自動車を追い越そうとしているときに、さらにその車を追い越すことで、禁止されています。前の車が原動機付自転車を抜こうとしている場合はあたりません。