緊急自動車(きんきゅうじどうしゃ)とは|譲り方と試験のひっかけ
更新: 2026-10
緊急自動車(きんきゅうじどうしゃ/kinkyū jidōsha)は、消防車・救急車・パトカーなど政令で定める自動車が、緊急の用務のためにサイレンを鳴らし赤色の警光灯をつけて走っている状態のものです。試験で問われるのは「交差点付近では交差点を避けて左に寄り一時停止、それ以外の場所では左に寄って進路を譲る(一時停止までは不要)」の区別です。
法令上の定義
道路交通法39条1項は、緊急自動車を「消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のもの」と定めています。車の種類だけでなく、緊急の用務で走っていることが条件です。
政令で定めるところとは、サイレンを鳴らし、かつ赤色の警光灯をつけることです(道路交通法施行令14条)。例外として、パトカーが速度違反を取り締まる場合で特に必要があるときは、サイレンを鳴らさなくてもよいとされています。
| 区分 | 例(施行令13条から抜粋) |
|---|---|
| 消防・救急 | 消防用自動車、救急用自動車 |
| 警察など | 犯罪の捜査や交通の取締りに使う警察用自動車、検察庁の捜査用の車 |
| 公益事業など | 電気・ガス事業の危険防止の応急作業車、輸血用血液製剤の応急運搬車、道路管理者の応急作業車 |
緊急自動車が近づいてきたときの譲り方
譲り方は場所で変わります(道路交通法40条)。ここが知識確認でいちばん狙われるポイントです。
一方通行の道路で、左に寄るとかえって緊急自動車の妨げになるときは、右側に寄ります。消防車以外の消防用車両が近づいたときも、交差点付近では交差点を避けて一時停止します(同法41条の2)。
| 場所 | すること |
|---|---|
| 交差点やその付近 | 交差点を避け、道路の左側に寄って一時停止 |
| それ以外の場所 | 道路の左側に寄って進路を譲る(一時停止の義務はない) |
| 一方通行で左に寄ると妨げになる場合 | 道路の右側に寄る |
| 高速道路で緊急自動車が本線車道に入る・出るとき | その通行を妨げない(同法75条の6) |
緊急自動車だけに認められていること
緊急自動車は、やむを得ないときは道路の右側部分にはみ出して通行でき、法令で停止しなければならない場面(赤信号など)でも停止しなくてよいとされています。ただしその場合は他の交通に注意して徐行しなければなりません(同法39条)。通行禁止や進行方向別の通行区分など一部の規定も適用されません(同法41条)。
最高速度は、一般道路で80km/h、高速自動車国道の本線車道などで100km/hです(施行令12条3項・27条2項)。交通事故を起こした場合でも、業務のため引き続き運転する必要があるときは、他の乗務員に救護や報告をさせて運転を続けられます(同法72条4項)。
知識確認での出題のされ方とひっかけ
問題文はたいてい「どこで」「何をするか」の組み合わせです。場所と動作を入れ替えた文が×になります。
- 「交差点付近以外でも、左に寄って一時停止しなければならない」→ ×(左に寄って譲れば足りる)
- 「交差点付近では、交差点を避けて左に寄り一時停止する」→ ○
- 「一方通行の道路で左に寄ると妨げになるときは右に寄る」→ ○
- 「進行方向別通行区分が指定された交差点では、緊急自動車に譲る場合も区分に従う」→ ×(譲るときは従わなくてよい)
- 「交差点の中で止まって道を空ける」→ ×(交差点は避ける)
似た用語との違い
「緊急自動車」と、見た目が同じ消防車やパトカーは別物です。サイレンも赤色灯もなく普通に走っているパトカーは、上の速度取締りの例外を除き、緊急自動車としての特例を受けません。
路線バスの発進の合図は優先のしかたが違います。発進の合図をした路線バスは、急ブレーキや急ハンドルが必要な場合を除いて進路を妨げてはいけませんが、一時停止までの義務はありません(同法31条の2)。
この用語が出る練習問題
よくある質問
Q. 交差点から離れた場所で緊急自動車が来たら止まる必要はありますか?
A. 法律上は、道路の左側に寄って進路を譲れば足ります。一時停止が必要なのは交差点やその付近です。
Q. サイレンを鳴らしていない救急車も緊急自動車ですか?
A. 緊急自動車はサイレンを鳴らし赤色の警光灯をつけて緊急用務で走っているものです。例外はパトカーが速度違反を取り締まる場合です。
Q. 緊急自動車は赤信号でも進めますか?
A. 停止しなくてよいとされていますが、他の交通に注意して徐行しなければなりません。