日本で事故・故障したとき|措置の順番と踏切・高速道路
更新: 2026-10
交通事故を起こしたら、①すぐに車を止め、②負傷者を救護し、③後続事故を防ぐ措置をとり、④警察に報告します(道路交通法第72条)。「まず警察に報告してから救護」は順番が逆です。物を壊しただけの事故でも、警察への報告は省けません。
事故を起こしたときの措置(順番)
道路交通法第72条は、事故に関係した車の運転者その他の乗務員に、直ちに運転を止めて負傷者を救護し、道路上の危険を防止する措置を義務づけています。そのうえで運転者は、警察官が現場にいればその警察官に、いなければ直ちに最寄りの警察署(交番・駐在所を含む)に報告しなければなりません。運転者が死亡・負傷したときは、他の乗務員が報告します。
報告義務は人身事故だけでなく、物損事故にもあります。当事者同士で話し合って解決しても、報告義務はなくなりません。人の死傷がある事故で救護などをしなかった場合、5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、自分の運転が原因なら10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(第117条)。
| 順番 | すること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 直ちに運転を止める | その場を離れない |
| 2 | 負傷者を救護する | 救急車(119番)を呼ぶ。頭を強く打った人は、後続事故の危険があるなどやむを得ない場合を除き、むやみに動かさない |
| 3 | 道路上の危険を防止する | 後続車による事故を防ぐ。危険があれば負傷者も安全な場所へ移す |
| 4 | 警察に報告する | 日時・場所、死傷者の数と負傷の程度、壊れた物とその程度、積載物、講じた措置を伝える(物損事故も対象) |
高速道路で故障・事故で止まったとき
高速道路の本線車道や路肩で動けなくなったときは、停止表示器材(三角表示板など)を、後ろから来る車の運転者が見やすい位置に置く義務があります(第75条の11、施行令第27条の6)。夜間は夜間用の停止表示器材を使い、昼間でもトンネルなど視界が200m以下の場所では夜間用を使います。さらに、できるだけ早く車を本線車道の外へ移す措置をとります。
法律の義務は停止表示器材を「表示すること」で、車に常に積んでおくこと自体は義務ではありません。ただし表示できなければ違反になるので、積んでおくのが現実的です。
車内や車の近くで待つと追突される危険があります。NEXCO中日本は、ハザードランプ・発炎筒・停止表示器材で後続車に知らせたら、同乗者も含めて全員が車より後方のガードレールの外側など安全な場所に避難し、それから110番・非常電話・道路緊急ダイヤル(#9910)で通報するよう案内しています。
| 場面 | 必要なこと |
|---|---|
| 昼間に停止 | 昼間用の停止表示器材を後方に表示 |
| 夜間・視界200m以下のトンネル等 | 夜間用の停止表示器材を後方に表示 |
| 夜間、幅5.5m以上の道路に駐停車 | 非常点滅表示灯・尾灯(または基準に合う駐車灯)をつける |
| 待つ場所 | 車内ではなく、ガードレールの外側など安全な場所 |
| 通報 | 110番・非常電話・#9910 |
踏切で車が動かなくなったとき
踏切の手前では、原則として直前(停止線があればその直前)で一時停止し、安全を確かめてから進みます。ただし踏切に信号機があり、その信号に従うときは、一時停止せずに通過できます(第33条)。遮断機が閉じようとしているとき・閉じているとき、警報機が鳴っているときは踏切に入ってはいけません。
踏切内で故障などにより動けなくなったら、直ちに非常信号を行うなどして鉄道の係員などに知らせ、車を踏切の外に移す措置をとります(第33条第3項)。具体的には、踏切支障報知装置(非常ボタン)を押す、発炎筒を使うなどで列車に知らせることを最優先にし、同乗者を避難させてから車の移動を試みます。
緊急自動車が近づいてきたとき
救急車・消防車・パトカーなどの緊急自動車が近づいてきたときの動き方は、場所によって違います(第40条)。高速道路では、緊急自動車が本線車道に入ろうとしているときや出ようとしているときも、その通行を妨げてはいけません(第75条の6)。
| 場所 | すること |
|---|---|
| 交差点やその付近 | 交差点を避け、道路の左側に寄って一時停止 |
| それ以外の場所 | 道路の左側に寄って進路を譲る |
| 一方通行で、左に寄るとかえって妨げになる場合 | 道路の右側に寄る |
大地震のとき・視界が悪いとき
警察庁が示す教則では、運転中に大地震が起きたら、急ハンドル・急ブレーキを避けて、できるだけ安全な方法で道路の左側に止めます。その後はカーラジオなどで情報を集めます。車を置いて避難するときは、できるだけ道路外の場所に移し、やむを得ず道路上に置くときは左側に寄せてエンジンを止め、キーは付けたままか車内の分かりやすい場所に置き、窓を閉めてドアはロックしません。他の人が車を動かせるようにするためです。
避難には、津波から逃げるためにやむを得ない場合を除き、車を使いません。車で避難すると渋滞が起き、消防や救急などの活動の妨げになります。
昼間でも、トンネルの中や濃い霧の中などで視界が50m以下(高速道路などは200m以下)のときは、前照灯などをつけなければなりません(第52条、施行令第19条)。
間違えやすいパターンと練習
この分野は「順番」と「例外」の入れ替えが定番です。
- まず警察に報告し、その後で負傷者を救護 → 誤り(救護が先)
- 物損事故なら当事者で解決すれば報告不要 → 誤り
- 高速道路で故障したら停止表示器材を置いて車内で待つ → 誤り(ガードレールの外側などへ避難)
- 停止表示器材はすべての車に積む義務がある → 誤り(義務は高速道路で止まったときの表示)
- 踏切はどんな場合も一時停止 → 誤り(信号機に従うときは停止不要)
- 大地震のときは車で速やかに避難 → 誤り(原則として車を使わない)
- 前照灯は夜間だけ → 誤り(視界50m以下なら昼間も)
この分野の練習問題
- 交通事故を起こしたときは、まず警察官に報告し、その後で負傷者を救護しなければならない。
- 人身事故ではなく、物を壊しただけの交通事故であれば、当事者同士で解決すれば警察に報告しなくてもよい。
- 交通事故の負傷者の救護義務は、事故を起こした車の運転者だけでなく、同乗していた者にもある。
- 事故で負傷者がいる場合、後続車による事故のおそれがあるときは、負傷者を安全な場所に移動させてもよい。
- 事故で頭部を強く打っている負傷者がいる場合は、後続事故の危険があるときなどやむを得ない場合を除き、むやみに動かさないほうがよい。
- 高速道路で故障して路肩に停止したときは、停止表示器材を置いたうえで、車内に残って救援を待つのが安全である。
- 高速道路で故障のためやむを得ず駐停車するときは、車の後方に停止表示器材を置かなければならない。
- 停止表示器材(三角表示板など)は、すべての自動車に常に積んでおくことが法律で義務付けられている。
- 夜間、高速道路で故障により駐停車するときは、停止表示器材とあわせて、非常点滅表示灯や尾灯をつけなければならない。
- 踏切内で車が動かなくなったときは、まず踏切支障報知装置(非常ボタン)を押すなどして列車の運転士に知らせ、乗っている人を安全な場所に避難させる。
- 踏切を通過するときは、どんな場合でもその直前で一時停止し、安全を確かめなければならない。
- 走行中にブレーキが効かなくなったときは、減速チェンジでエンジンブレーキを効かせ、ハンドブレーキも使って速度を落とす。
- 走行中に大地震が発生したときは、できるだけ安全な方法で道路の左側に車を止め、エンジンを止めてキーを付けたまま、ドアをロックしないで避難する。
- 大地震が発生して避難するときは、交通の混乱を避けるため、車を使って速やかに避難するのがよい。
- 昼間であっても、トンネルの中や霧の中など50メートル先が見えない場所を通行するときは、前照灯をつけなければならない。
よくある質問
Q. 日本で小さな物損事故を起こしたら警察を呼ぶ必要がありますか?
A. はい。道路交通法第72条の報告義務は物損事故にもあり、当事者同士で解決しても省けません。
Q. 事故のとき、同乗者にも義務がありますか?
A. 法律は救護や危険防止の措置を「運転者その他の乗務員」に義務づけています。警察への報告は運転者が行い、運転者が死亡・負傷したときは他の乗務員が行います。
Q. 停止表示器材は昼でも置く必要がありますか?
A. はい。高速道路で故障などにより止まったときは、昼夜を問わず表示の義務があります。夜間や視界200m以下のトンネル等では夜間用を使います。
Q. 地震で車を置いて逃げるとき、鍵はどうしますか?
A. 付けたままか車内の分かりやすい場所に置き、ドアはロックしません。緊急時に他の人が車を移動できるようにするためです。