救護義務(きゅうごぎむ)とは|誰が・何を・どの順番で
更新: 2026-10
救護義務(きゅうごぎむ/kyūgo gimu)は、交通事故があったとき、その事故に関係する車の運転者や乗務員が、直ちに運転をやめて負傷者を救護しなければならない義務です(道路交通法72条1項前段)。順番は「止まる→負傷者を救護→道路の危険を防止→警察に報告」で、試験では「まず警察に報告してから救護」は×になります。義務は運転者だけでなく、その車に乗っていた乗務員にもあります。
法令上の意味
道路交通法72条1項前段は、交通事故があったときは、その事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(運転者等)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない、と定めています。
後段では運転者に警察官への報告義務を定めています。報告する内容は、事故の日時と場所、死傷者の数と負傷の程度、壊れた物と程度、車の積載物、講じた措置です。運転者が死亡・負傷してできないときは、他の乗務員が報告します。
| 義務 | 誰が | 内容 |
|---|---|---|
| 運転の停止 | 運転者その他の乗務員 | 直ちに車両等の運転をやめる |
| 負傷者の救護 | 運転者その他の乗務員 | 救急車を呼ぶ、止血などの応急救護処置 |
| 危険防止の措置 | 運転者その他の乗務員 | 後続事故を防ぐ。車を安全な場所に移す |
| 警察への報告 | 運転者(できないときは他の乗務員) | 現場の警察官、いなければ最寄りの警察署(交番・駐在所を含む) |
教則が示す救護のしかた
警察庁の教則は、事故のときの具体的な行動を次のように示しています。
- 事故の続発を防ぐため、他の交通の妨げにならない安全な場所(路肩、空地など)に車を止め、エンジンを切る
- 医師や救急車が来るまでの間、ガーゼや清潔なハンカチで止血するなど、可能な応急救護処置を行う
- 負傷者はむやみに動かさない。特に頭部に傷を受けているときは動かさない
- ただし後続事故のおそれがあるときは、早く負傷者を救出して安全な場所に移す
- 事故の現場に居合わせた人も、負傷者の救護などに協力する
例外と罰則
緊急自動車、傷病者を運搬中の車、業務中の乗合自動車・路面電車などの運転者は、業務のため引き続き運転する必要があるときは、他の乗務員に救護や報告をさせて運転を続けられます(72条4項)。
人の死傷があったのに救護をしなかった運転者(軽車両を除く)は、5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、その死傷が自分の運転に起因するときは10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(117条)。いわゆるひき逃げにあたり、行政処分の点数は救護義務違反で35点です(施行令別表第二)。
知識確認での出題のされ方とひっかけ
順番の入れ替えと、「運転者だけ」という主語の限定がひっかけの中心です。
- 「交通事故を起こしたら、まず警察官に報告し、その後で負傷者を救護する」→ ×(救護が先)
- 「負傷者の救護義務は、運転者だけでなく同乗していた者にもある」→ ○
- 「頭部にけがをした負傷者は、すぐに病院へ運ぶため動かす」→ ×(むやみに動かさない。後続事故の危険があるときは安全な場所へ)
- 「物が壊れただけの事故なら警察に報告しなくてよい」→ ×(報告事項に損壊した物が含まれる)
- 「当事者同士で話し合いがついたら報告は不要」→ ×
この用語が出る練習問題
よくある質問
Q. 救護義務は運転者だけの義務ですか?
A. いいえ。事故に係る車の運転者その他の乗務員にあります。
Q. 救護と報告はどちらが先ですか?
A. 停止して負傷者を救護し、危険を防止してから、警察に報告します。
Q. 救護義務に違反するとどうなりますか?
A. 自分の運転で人を死傷させた場合は10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金で、点数は35点です。