認知機能検査とは?内容・点数・イラストのパターンと、結果が悪かったとき
75歳以上の人が運転免許を更新するときに受ける認知機能検査。 「何をするのか」「何点なら大丈夫なのか」「結果が悪かったら免許はどうなるのか」を、 警察庁が公開している資料(進行要領・採点基準・Q&A)のとおりにまとめます。 ご本人の準備にも、ご家族の付き添いの予習にも使えます。
誰が・いつ受けるのか
免許証の更新期間が満了する日の年齢が75歳以上の人は、更新の前に認知機能検査を受けなければなりません。 満了日の6か月前から受けられ、対象の人には6か月前までに警察から通知(はがき)が届きます。 普段運転していない人も、更新するなら受ける必要があります(警察庁)。
また、75歳以上の人が信号無視などの特定の違反をしたときには、更新とは別に臨時認知機能検査があります。やり方は同じで、通知から1か月以内に受けないと免許停止になります。
検査の流れと制限時間
警察庁の「進行要領」で決められている順番と時間です。説明を含めて30分〜1時間ほどかかります(県警の案内)。
用紙に書く方式のほか、タブレットにタッチペンで入力する方式で行うところもあります(警察庁・埼玉県警)。
採点と判定(36点が分かれ目)
| 項目 | 点数のつけ方 | 満点 |
|---|---|---|
| 手がかり再生(A) | 1個につき、ヒントなしで書けたら2点。ヒントありでだけ書けたら1点 | 32点 |
| 時間の見当識(B) | 年5点・月4点・日3点・曜日2点・時刻1点(時刻は前後30分未満のずれまで正解) | 15点 |
総合点=2.499×A+1.336×B(満点はおよそ100点)。36点未満なら「認知症のおそれがある」、36点以上なら「認知症のおそれがない」と判定されます。 計算すると、手がかり再生だけで15点(たとえば16個中8個をヒントなしで書ける)あれば、それだけで36点を超えます。
採点は受検者に不利にならないように行われ、言い換え(方言・外国語・商品名など)、似たものの回答、誤字・脱字も正解として扱われます(採点基準)。
どんなイラストが出るのか(4パターン)
出るのは警察庁が公開しているパターンA〜Dのどれか1つです。 ヒントの分類(下の表の左の列)は、どのパターンでも同じ16種類です。
| ヒント | パターンA | パターンB | パターンC | パターンD |
|---|---|---|---|---|
| 戦いの武器(1枚目) | 大砲 | 戦車 | 機関銃 | 刀 |
| 楽器(1枚目) | オルガン | 太鼓 | 琴 | アコーディオン |
| 体の一部(1枚目) | 耳 | 目 | 親指 | 足 |
| 電気製品(1枚目) | ラジオ | ステレオ | 電子レンジ | テレビ |
| 昆虫(2枚目) | テントウムシ | トンボ | セミ | カブトムシ |
| 動物(2枚目) | ライオン | ウサギ | 牛 | 馬 |
| 野菜(2枚目) | タケノコ | トマト | トウモロコシ | カボチャ |
| 台所用品(2枚目) | フライパン | ヤカン | ナベ | 包丁 |
| 文房具(3枚目) | ものさし | 万年筆 | はさみ | 筆 |
| 乗り物(3枚目) | オートバイ | 飛行機 | トラック | ヘリコプター |
| 果物(3枚目) | ブドウ | レモン | メロン | パイナップル |
| 衣類(3枚目) | スカート | コート | ドレス | ズボン |
| 鳥(4枚目) | にわとり | ペンギン | クジャク | スズメ |
| 花(4枚目) | バラ | ユリ | チューリップ | ヒマワリ |
| 大工道具(4枚目) | ペンチ | カナヅチ | ドライバー | ノコギリ |
| 家具(4枚目) | ベッド | 机 | 椅子 | ソファー |
出典:警察庁「認知機能検査 進行要領」別紙(パターンA〜D)。本番ではイラストで示されます。
「認知症のおそれがある」と判定されたら
- 警察(公安委員会)から連絡が来ます。
- 臨時適性検査(専門医の診断)を受けるか、医師の診断書を提出します。
- 認知症と診断された場合は、聴聞などの手続きを経て、免許の取消しまたは停止になります。
判定は医師の診断ではないので、「おそれがある」と出ても認知症と決まったわけではありません。 検査は何回でも受け直せて(手数料はそのつど必要)、受け直して「おそれがない」になれば診断の対象から外れます(警察庁Q&A)。
運転を続けることに不安があるとき、ご家族として相談したいときは、運転免許センターなどの安全運転相談窓口(全国共通の短縮ダイヤル「#8080」)に相談できます。 運転をやめる場合は、免許の自主返納(申請による取消し)もできます。返納だけなら手数料は無料で、身分証の代わりになる運転経歴証明書ももらえます。
75歳以上の更新で受けるもの(全体像)
| 手続き | 対象 | 手数料(警察施設) |
|---|---|---|
| 認知機能検査 | 75歳以上の全員 | 1,050円 |
| 運転技能検査 | 75歳以上で、直近3年間に信号無視など11種類の違反がある人(普通車の免許) | 3,650円 |
| 高齢者講習 | 70歳以上の全員(2時間。運転技能検査の対象者などは実車なしの1時間) | 6,600円(1時間は2,950円) |
手数料は警視庁・埼玉県警の案内(2025年3月24日以降)。教習所で受ける場合は異なることがあります。
よくある質問
出典
- 警察庁「認知機能検査について」(検査用紙・イラスト・進行要領・採点方法)
- 警察庁「認知機能検査 Q&A」
- 警視庁「75歳以上の方の運転免許証更新手続」